Smiley face

 きっかけは2021年11月、SNS上で「働く女性応援よくばりハンドブック」が炎上したことだった。

 働く女性の支援制度などを紹介する冊子で、広島県が14年に発行し翌年にこの名称に改訂した。

写真・図版
広島県が発行し、無料で配布・公開した「働く女性応援よくばりハンドブック」(左)。2015年から題名がこの形になり、批判を受けて22年9月に改訂された(右)。「よくばり」の文字は消え、表紙の色もピンクから黄色に変わった

 「ワーキングママの心構え 同僚・周囲への感謝と配慮を忘れずに!」という項目は特に批判をあつめ、表紙には「仕事も暮らしも。欲張りなライフスタイルの実現のために」との副題もあった。

 「仕事と家庭の両立はよくばりなのか」と女性らの怒りを買った。

今回の参院選で、ジェンダー政策に特化した候補者アンケートをする市民グループの動きが、全国11県に広がっています。その背景と経緯を追いました。

  • 「昭和」のままの地方から広がる、女性らの政治参加 上野千鶴子さん

 広島市でブックカフェを営む安彦(あびこ)恵里香さん(46)は、SNSでこの騒ぎを知り、ハンドブックの内容に加えてもう一つ違和感を覚えた。

 「改訂から6年間、だれもおかしいと声を上げなかった。広島のジェンダー観をアップデートする必要がある」

妊娠報告したら昇進取り消しに

 その1年半前、自身のカフェ…

共有